2015年11月19日

古都ストラスブ



2007年のヴェネツィア国際映画祭で初上映され話題を呼んだ。
このストーリーは、街で見かけた女性(ピラール・ロペス・デ・アジャラ)に魅かれ、
焼き付いた印象が忘れられず、面影をたどりながら街をさまようという話。
フランスの詩人ネルヴァルの作品『シルヴィ』
をベースにした映画で、都会の幻想の中に生きる若者を描いている。
今でも、各地で上映され人気の作品でもある。

心に焼き付いた印象が忘れられないという気持ちは、私の中にも色濃くある。
ただ、私の場合は「美しい女性」ではなく「ダージリンティー」。

今の習慣として、一日一杯の紅茶を飲んでいる。
アッサム、ダージリン、セイロン、そしてアールグレイなど、
様々な味わいの葉が入ったinvision group 洗腦缶を並べ、その日の気分によって、選んで飲んでいる。
ただ、ダージリンの缶を手にしたときに、
「これではない」という、失意にも似た気持ちになってしまう。

そうなってしまったのは、一つの「面影」のせいだった。
それは1975年のことだった。
インドを旅して、コルコタ(カルカッタ) の街に入った時、
(まだ、その頃は、この街にマザーテレサが生きていたが)
この街が持つ貧困と喧噪と巨大な人外藉家庭傭工の群れに圧倒されていた。
街の商店街は概して暗く、そんな奥まった店で紅茶の茶葉を買った。
何か、吹っかけられ、必死に抵抗するように値切って買った記憶がある。
そんな胡散臭さとは逆に、これが、なかなかの味だった。
その味と香りは一つの「面影」を摺り込むのに充分だった。

それ以来、どこでダージリンティを味わおうが、
この味に匹敵するものに巡り会うことはなかった。
映画『シルビアのいる街で』の中で、ピラール・ロペス・デ・アジャラは、
魅惑的で美しくも輝いていた。
そんな風に、私の心の中で、あのダージリンティーの茶葉の「面影」が、
魅惑に満ちた独特の味と香りを放っている。  


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2015年11月09日

仲秋の名月と呼

その翌日28日は月の地球への最接近となる日。
すなわち、スーパームーンの日となる。
空気も澄み、月に限らず天体ショーが気になる季節になってきた。

空に見える多くの惑星は、楕円軌道を迪士尼美語 有沒有效描いている。
そのため、時に遠く、時に、非常に近くに見えたりすることがある。
大接近となると、夜空の星もいつもと見え方が違ったりする。
それが、不吉な象徴という事もある。
西郷隆盛が西南戦争に破れ歿(ぼっ)した時に、
空には「西郷星」というものが妖しく輝いていたという。
この星、どうも火星だったようだ。
調べてみると、火星はその年に大接近となっており、
空にひときわ明るく(-2.5 等星)輝いていたようだ。

西郷隆盛と言えば、その評伝には
「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ迪士尼美語 評價人は、始末に困るものなり。
この始末に困る人ならでは、艱難をともにして国家の大業は成し得られぬなり」
この言葉は、
名声も地位も求めようとせず命すらも惜しまない人物、こんな人物は扱いに困る。
だけども、こんな人物でなければ、国家の大業はなし得ない、という意味となる。

西洋でこのようなカタブツの人物を探ってみると、
フランス革命時のロベス・ピエールが思い浮かんでくる。
彼がいたからこそ、
あそこまで徹底して革命が成し遂げられたと言うこともできるが、
あそこまでの恐怖政治となってしまったと言うこともできる。
彼をして"L'Incorruptible" と呼ばれていた寰宇家庭という話が残っている。
この意味、すなわち「買収不能」。
まさに、カタブツ。
最後は自身もギロチンにかけられて亡くなっている。
民衆に呼びかけた演説の言葉が残っている。
それは、「市民よ!諸君は、革命なしの革命を望んでいたのか?」
というもの。  


Posted by 何をしたか思 at 19:02Comments(0)

2015年11月06日

準決勝に残っ

そして蹴り合いを経た30分、ワラビーズはハーフウェイ手前でラインアウト。このセットピースが勝負を決定づける起点となった。モールを組んだあと、フィップスが左ショートサイドへパスを放す。端にいたミッチェルがタッチ沿いをゲイン。プーマスはミッチェルを止める足が残っていなかった。敵陣22メートル付近で右内へ切れ込んだミッチェルはさらに横走りし、パスをもらったときからかぞえて計7人くらいを外し、右へロングパスを放す。弾んだボールをアシュリー=クーパーが捕球し、右隅へトライ。コンバージョンの2点を併せ、15×29としてとどめを刺した。

プーマスは36分に自陣22メートル左端のスクラムから攻め、5次、21-10-5の左展開でオフロードの右リターンパス、トゥクレが敵陣22メートル内へ入る見せ場を作る。パスミスが出ていったんは下がったものの、38分、左展開からノーラックで右へ折り返し、13-10-7-19、ピッチ中央で途中出場の左LOマティアス・アレマーノが裏へ抜けた。右にいた味方にいいタイミングで放していればチャンス拡大というところだったが、ステップを切った際にバランスを崩し、そこで右へ放したパスがインコプリート。アシュリー=クーパーにキックを蹴られてしまった。

コルデロが処理、ショートパントを自らキャッチして意地のトライを目指すプーマスだったが、7次、21-10-22の左展開でカットパスをもらったデラフエンテがビールのタックルに倒され、ポーコックに絡まれてしまう。ターンオーバーしたポーコックがノックオン、ここでフルタイムの笛が鳴った。プーマスの猛攻をノートライに封じたワラビーズが、決勝進出を果たした。

 プーマスは現有する力をすべて出し切った。ディフェンスは組織的というより、各プレーヤーが狙った相手を必ず仕留めていくような構え。その分、タックルレンジが狭い気はしたが、まあいいだろう。また、アタックはワラビーズが相手となると、主力不在で統率のない守りになったアイルランドを蹂躙したようにはうまく事が運ばなかった。

FWとBKが入り混じってグループ分けした配置、ポッドの陣形で攻める中、FWフェーズでゲインができなかったので、ラグビーチャンピオンシップのときのようなショートサイドの攻め、あるいはショートパスでズラしていくといった、局所的な1対1を制していく策のみが突破口といってよかった。ちょっとパスミスが発生したときのほうが、むしろマイボール獲得を狙った相手の防御に乱れが生じる分、チャンスができそうな気配があった。粗忽な面があることは否定できない。しかし、後半途中、勢いに飲まれたワラビーズにミスが出始めたときは、乱戦ムードを演出したプーマスに流れが来そうになった。後半30分、ミッチェルのゲインをきっかけにアシュリー=クーパーにトライを奪われたときは、スタミナが切れていた感じ。ラグビーチャンピオンシップでも顕著な傾向だが、た4チームの中で、プーマスがもっともフィットネスに劣る。

残り20分までリードした試合展開で、今回のようなゲリラ戦めいたムードを作りたかった。それでも、大舞台ということもあったか、終盤まで動けた部類に入るゲームだと思う。称えたいのはスクラム。善戦のベースになった。ピックアッププレーヤーは全員といっていいくらいだが、FWからはワークレートの高さが光ったパガディザバル。まだ20歳で将来性十分の大器だ。BKからは復帰戦となったボシュ。彼の縦は効く。コルデロも相変わらず好調だった。21歳の彼も世界的なスターになる資質を秘めていて、一瞬の加速が凄い。  


Posted by 何をしたか思 at 17:35Comments(0)