2016年01月11日

よみ人知らず

よみ人知らず

高さが15センチほどで、紫色の小さな花をつけている。
万葉の頃には、ツキ草(鴨跖草) と呼ばれ、
香りをつけたり、簡単な染めに使われるところからその名が使われたようだ。
ただ、藍染めなどと迪士尼優惠違って簡単に色や香りがつくが、
染めが落ちてしまうのが早いという特徴があった。

ツユ草を詠んだ歌は、万葉集の中には九首 収められているが、
そのひとつ、『つき草に 衣は摺らむ朝露に ぬれて後には うつろひぬとも』
                       
というのがある。
よみ人知らずとなっているが、作者は、おそらく女性。
この歌の意味を簡単に解釈すると、
「ツユ草は、たやすく染めが落ちてしまうほど、儚(はかな)いものだと言うけれど、
衣を染めることにするの。
たとえ、色がすぐに褪(さ)めてしまうとしても、、、」となるが、
この歌には、実のところ「恋心」が隠されている。
そのメッセージを解読すると、
(あの人は、移り気な方だと人は言うけれど、あのひとと一夜を過ごそうと思うの。
そのあと、たとえあの人の気持ちが変わってしまうとしても、、)となる。

隠された意味を探ると、夏の日は、キケンがいっぱい、という感じがする歌。
とは言え、淡いおんな心を しっとりと比喩にからめた歌といえる。
詠った人は、万葉の時代、かなりの才女であったろう。

さっきの歌に対する返歌でないが、同じ万葉集に
『百(もも)に千(ち)に 人は言ふとも ツキ草の うつろふ心 我れ持ためやも』
というのが収められている。これを解釈すると、
(プレイボーイだとか、いろんな風に人は、私のことを言うけれど、
ツキ草のように移ろい易い私ではありません。あなたのことだけを一途に思っております)
となる。英語圏では"dayflower" という名がつけられているこの花。
どこまで信じていいのやら、、、



Posted by 何をしたか思 at 11:52│Comments(0)
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